「Eだね。」
幸村は徐に言った。
「E?ですか?」
「それって次のヒントがって事?」
「それは少し違うけれど。まあ、似たような物かな。」
「何故分かるのだ?」
「まあ、説明は後にするよ。先ずは見つけてしまおう。」
「見付けるったってねえ。」
千百合と紫希はさっきと引き続きよく分からない。
「この存在しない数っちゅうくだりは、お前さんなら分かるぜよ春日。」
「ええっ!?」
「ふふっ。そうだな、一度英訳を挟むと分かり易いね。」
「え、英訳・・・?」
(存在しない数の英訳・・・存在しない何かの英訳は、No something、つまり無い物があるということで、無い数が・・・!)
「分かったみたいじゃの。」
「マジか。なんなの?」
「本です・・・」
「本だと?」
「存在しない数というのは無い数。つまり、無数の事ではないでしょうか・・・」
「うん、正解だ。」
無数。
余りに多すぎて数が把握出来ない物に対して、数が無いと字で書く概念的単語。
「成程。此処に無数にある物と言えば、確かに本以外あるまい。」
「え、待ってよ。本だったとしたら、其処に埋もれてって事は、」
「そうじゃ。次のヒントは本の中に有る。」
「ふざけんな。」
もう既に面倒な気配を感じ取っている千百合に、幸村はくすくすと笑った。
「大丈夫だよ、ちゃんと此処から絞って行けるから。」
「次のヒントは、知らせの先頭のその又先頭・・・知らせとはこの場合何だ?」
「あ!もしかして、NEWSの事ですか?」
「おそらくそうじゃ。」
「でもニュースの先頭って何よ。」
「NEWSは本来、NEWの複数形。新しい事が沢山あるという意味の言葉だけど、英単語にして、字面だけ考えてみて。何か覚えは無いかい?キャンプとか、地図とか。」
「方角か!という事は、先頭のその又先頭と言うと・・・」
「この部屋の最北の本棚じゃな。先ずは其処を目指そう。」