一同、探索が一通り終わり。
Bチームが再び集まると、柳生は直ぐに切り出した。
「五十嵐さん。」
「ほよ?」
「パズルはお得意ですか?」
パズル。
唐突に出てきたこの単語。
「パズル?って、あのパチパチ嵌めて行くやつ?」
「ではなく、スライディングブロックパズルです。滑らせて、絵を完成させます。どう言えば分かり易いでしょうか・・・」
「うーん、でもどんなパズルでも紀伊梨ちゃんは苦手!です!」
「やはりそうですよね?」
元より、得意だなどという返事は期待してない。
「よく分かんねえけど、そんな質問此奴に向かって聞くだけ無駄じゃねえ?」
「むー!無駄とはなんですか無駄とはー!確かに出来ないけどー!」
「いえ、私としても如何にも苦手だろうとは思っていたのですが、少々事情が。因みに、丸井君は如何です?」
「俺?パズルが、って事?」
「はい。」
パズル。
スライディングブロックパズル。
「多少は出来るぜ。」
「ほう。意外だな、丸井がそういったものに詳しいとは。」
「弟が良く「出来ないからやって」っつって持ってくるからな。」
このパズルは、幼児向けおもちゃという形で良く売られているパズルでもあるのだ。
4×4の中に有る、くっちゃくちゃになった絵の残骸を持って来て、兄ちゃん元に戻してとちょくちょく頼みにくる弟を手伝ってやるうちに、そこそこは出来るようになった。
「でも俺より柳とか柳生の方が、そういうのは得意じゃねえの?」
「ああ。少なくとも俺達の中では一番得意だろうぜ。」
「っていうか、やーぎゅ言ってなかったっけー?パズルとか知恵の輪得意だよーって!」
「ええ、そうなんですが・・・説明は一先ず、後にしましょうか。先ず、現地へ向かいましょう。」
そう言いながら柳生と柳はサクサクと歩き始めた。
「ねーねー、今回は何処が正解なのー?」
「今回のポイントは、「生み」「奪う」「果実」此処が重要です。」
「果実、という時点で果物、ないしそれに類する事は想像が付くだろう。その中で尚且つ、命の始まりと言われている物。同時に、人の命を奪う物でもある果物と言うと?」
「???そんなのある?」
「「林檎か!」」
丸井と桑原は同時に思い至った。
「ん?でも待てよ、どうして命を奪うんだ?」
「え?」
「え?ブン太は分かるのか?」
「そりゃあだって・・・姫だろい?要するに白雪姫じゃん?」
「あー!毒りんごだー!」
男女問わず有名なあの童話。
白雪姫は、林檎によって命を奪われてしまう。
「逆に生むってのがなんなんだか俺はわかんねえんだけど?林檎から人なんて生まれるか?」
「桃太郎は桃からだよねー!」
「いや、アダムとイブだろ・・・」
「「?」」
「キリスト教の知識が無いと、これは苦しいな。」
「ええ。その為に「姫」と書いて、白雪姫側からの誘導を濃くしているのでしょう。」
とはいえ、此処に至るまでに散々キリスト教的なフラグは見受けられる。
そう言う意味でも、棗は結構誘導はがっちりしてくれていると言えよう。
「まーまー、取り敢えず林檎なんだね!で?林檎のある所にあるの?」
「いえ、ヒントには続きがあります。・・・ああ、此処が林檎。この辺りの事ですね。そして、これを越えた先。」
「おお。」
「成程、こうなっているわけか。」
「マジかよ・・・」