パッと切り替わる場面。
さっきまで見ていた見本の正しい画面は右上に移り、中央にパズルが表示される。
((5×5!))
出る頻度としては一番多いであろう、5×5。
これが出来ないと、出て来るパズルの半分以上解けないという事になるが。
「紫希!出来る?」
「はい!2分下さい!」
「えっ!?」
2分。
今2分と言ったか、向かいでパズルに勤しむ彼女は。
「嘘だろい、なんでそんな早えんだよ!」
「私、友達少なくて一人遊びを沢山する子供でしたから・・・どうやれば完成するか分かるんです。」
スライドパズルというのは、パズルの中では人気の無い方である。
それは偏に、こうすれば絶対解けるというような必勝法があるから。
そしてそれが、何度も繰り返していると割と直ぐ分かる様な物だからである。
何マスになろうが関係ない。
仮に100×100になっても、時間はその分かかるだろうが正解は必ず出来る。
知っているか知らないか、それだけの事。
「春日さんはどうやら知っておいでですね。」
「やーぎゅは分かるのー?」
「ええ。スライドパズルの解法は比較的簡単です。」
「それならそれを早くブン太に、」
「教えたいのは山々なのですが、これは口で言っても分かり辛い物で・・・」
「パズルの類の宿命だな。実際に物を前にして、やって見せない事には教えられる側はどうにもならない。」
勿論、頑張って口で言う事も出来る。
出来るけど、お互いにお互いが見えないから余計混乱する場合も多いのだ。
一番左の下を空けて!右から2番目にスペースを開けて回して!と言った所で、どこまで分かって貰えるか。
「しくじりましたね・・・スライドパズルと分かった時点で教えておくべきでした。」
「いや、どのみち俺達はタブレットなど持っていないから、図示は上手くは出来ない。」
「無理に教えようとしても、その分時間のロスだしな・・・」
「えー、でもやった事あるんっしょー?なら出来るよ!ブンブン頑張れー!」
「頑張るけどよ。」
そりゃあ、やった事あるとは言ったし、実際あるさ。
でもそれは所詮子供のおもちゃで、4×4。しかも時間はたっぷりあったから、焦らなくてもただ何となく動かしてたらなんとなく出来たようなもの。
こんなちんたらしていられない状況下で、そんな事言われても。
(待て待て、取り敢えず動かせ!ボーっと見てたって完成しねえんだから、)
「出来た!」
「マジ!?」