「は、外した・・・!?幸村君も真田君も居るのに・・・!」
「邪魔されたんじゃねえ?何かさっき、妨害がどうのとかちらっと聞こえたぜ?」
「そんな・・・」
しかし、言ってる場合じゃない。
何はともあれ、一回目は失敗なのだ。
(い、いえ!落ち着いて下さい、私!大丈夫、さっき自分で言ったじゃないですか、幸村君も真田君も、皆が居るって・・・)
今回は初回だったから、こうなっただけ。
あのメンバーで、早々何度も何度も黙って良いようにはやられていないだろう。
それは丸井も承知している。
(ラッキーだけど、これが何時までも続くわけはねえな。)
だから安心してはいけない。
さっさとこっちはこっちで解いてしまわないと。
(これで、これで、こうして・・・あ、こっちはもう動かせえねえのか!くそ、半分は出来たのに、)
スライドブロックパズルと言うのは、半分はまあなんとなくやっていても割と簡単に出来る。
問題なのはもう半分の方だ。出来ている半分を崩さないで揃えると言うのが、解法を知らないとなかなか堪える。
「で、出来た・・・!」
「おい!ちょっと待てってば!」
『Aチーム、正解です。番号は、14番、です。』
「なんでそんなに早いんだよ!?」
「い、今のは偶々配置が良くて、楽で・・・」
「冗談じゃねえぞ・・・!」
これはまずい。
幾らなんでもスピードに差があり過ぎる。
パスボタンを押すか・・・?と一瞬頭にその考えが過るが。
(いや!今やってるのが一番出て来る難易度なんだから、此れが出来ないのは流石にヤバいだろい!取り敢えずこれだ!これをどうにかして、)
必死に手を動かす丸井。
完成まで、もう暫く。
「次だ!」
「14じゃ、あっちナリ。」
番号が出れば、移動だ。
それは基本にして原則の行動。だが。
「幸村、黒崎。」
「ああ、俺達は此処に居るよ。」
「え?」
「五十嵐さん、行きましょう。柳君に桑原君はお手数ですが、」
「分かっている。俺と桑原は残ろう。」
「え?」
「えー?皆で行かないのー?」
「理由は後でお話します。兎も角、行きましょう。」
真田と仁王の後を追って、紀伊梨は柳生と14番へ向かう。
一方、幸村と残る流れになって止まる千百合。
「ねえ、私達行かなくて良いの?」
「良いよ。というより、行ってはいけないんだ。」
「なんで?」
「全員で向かってる間に、丸井がパズルを完成させてしまう場合があるからね。正解番号が離れている地点だと、残って張りついていなければ妨害が追いつかない。」
詰まる所妨害する気満々な故に、常にお互いがお互いをマークしていなければならないのだ。さながらバスケットやサッカーのよう。テニス部なのに。
「・・・え、待てよ。って事は逆に、俺と柳はこっちで何かあったら・・・」
「幸村と黒崎を相手にしながら、妨害したり妨害を退けたりしなくてはいけない、という事だ。」
(その要求、ハードル高くないか?)
こっちには柳が居るけど、相手にしてるのは幸村なんだぞ、幸村。
しかしどうしようもない。あっちはあっちで真田が居るから、応援に来てくれとは言えない。
パワーバランス的には、此れが多分ギリギリである。
(ううん、胃が痛い・・・早くしてくれよ、ブン太!)