Solicitation:4th game 11 - 5/5


暗い中に、Aチームの足音が響く。

ライトは先頭の幸村が自分の物を分解したため、今はもう1人1本。
幸村だけ紀伊梨の物をまだ持っているので2本。

「あとどの位だ?」
「まだもう少しかな。あのゴールは、あそこそのものが入口から比較的遠いからね。」

「・・・・・」

「はあ、はあ、は・・・・」

「・・・・・」

「春日、辛いかもしれんが足元は見ときんしゃい。疲れてる時は転びやすいぜよ。」
「はい、はあ・・・」

皆色々会話しているし、それに対して思う事もあるけど、千百合は今ぶっちゃけそれどころじゃない。

手。
早く手を離して欲しいと言う気持ちでいっぱい。

「・・・・」

さっきからこう、離して貰えませんかね、の意を込めてぐっと力を込めてみるのだが。

「~~~~~・・・!」

その度に握り返される。
嫌です、離す気は無いので、の意。

「はあ、ふう・・・」
「春日、もう少しだから頑張ってくれ。後角を2回曲がれば見えて来る筈だ。」
「はい・・・」

(早くしろ)

早く一息つきたいというのは紫希もそうだろうが、必死さという点では千百合の方が絶対に上であろう。

もういやだ離してくそ恥ずかしい。

「見えたぞ!入口だ!」

扉を開けると、視界が一気に明るくなり全員顔を顰めた。
日光が沁みる、なんて吸血鬼のような事を考えつつ、ライトの有った辺りを探すと、確かに小さい箱が1つ。

「これが宝じゃな。」
「そして、これが次のヒントというわけか。どれ。」
「後幾つ位でしょう・・・」
「時間的にも、次か次の次で終いになるじゃろう。安心しんしゃい。」
「はい・・・」

そろそろ、体全体としての疲労が溜まりだしている。
他のメンバーは兎も角、人並より体力に劣る紫希は結構辛い。

「・・・・ちょっと。」
「ん?なんだい?」
「離してよ。」

もう迷路から出たしいい加減良いだろ、と千百合が手をちょっと催促気味に振る。

「ああ、ごめんね。つい。」
「うん、それは良いから離して。」
「何故?」
「いや、何故じゃなくて。」
「ふふ。ごめんね、冗談だよ。」

心臓に悪い冗談は止めて欲しい。
ああ、顔が熱い。

「お前さんら、話はもうええか?」

仁王がヒントの紙をひらんと2人に見せた。

「走るぜよ。」

其処には、たった一言。




PLACE





とだけ。








「はっ、はっ、はっ、はっ、はーーー!苦しー!」

入口にダッシュし、行きつく暇もなく次に行くから走れと促され。
タイトな行動に、紀伊梨も流石に音を上げる。

「大丈夫か?」
「しんどーい!桑ちゃんおんぶしておー!」
「俺かよ!」
「それは良い考えだな。」
「えええ!?」
「体力のトレーニングだと思えば、そう苦でもない。重りよりは自らしがみついてくれる人間の方が、幾分楽だ。」
「マジかよ・・・」

「で・・・柳生?」
「はい?」
「俺達走ってっけど・・・はあ!場所わかってんだろい?」
「ええ、勿論。」

丸井も結構きつい。
逆に柳生は結構体力ある事を、今全員が初めて知った。

「此処に書いてあります。」
「書いてなくなーいー!?真っ白じゃーん!」

紀伊梨は本当に解せない。

ヒントの紙にはただ一言。
PLACE としか書かれていなかった。
後は真っ白。本当に真っ白。透かしてもどうしてもそれ以外書かれていない。

だのに柳生は、見た瞬間行こうと言って皆を促した。

「これはですね、種明かしをしますと、先程のワインセラーがヒントです。」
「!・・・成程、そういう事か。」
「やなぎー、分かるの!?」
「ああ。あの酒蔵の時も、PLACEの部分には何も記されていなかっただろう。」

そう、だから一瞬、塗りつぶし。
此処から場所のヒントはあげませんという意思表示かと思われたが違った。

「これも同様です。空白ではなく、白という色なのです。」
「あ!じゃあじゃあ、次は一番明るい所?」
「いえ、明るい場所ではありません。」
「暗いの!?」
「それも違います。これは本当に字のごとく色。白です。」
「つう事は、白い所って事か?
「はい。」
「でも、そんな所何処に・・・」

「いや。それならば場所はもうほぼ決まっている。」

「そーなの!?何処!?そんなまっちろな所があるの!?」
「必ずしも白、というわけではないが、敢えて白で仕上られる事が多い。そして今までも、散々誘導されている。分からないか?」
「いや、分かんねえだろい。」

と丸井は言ったが、桑原はハッとした。

「・・・教会か!」






厳密に言うと、教会ではない。
祈祷用の大聖堂が内包されているという話だが、前の持ち主が白いチャペルをかなり意識して作った事が一目見て分かる程度には、東中庭にあるその聖堂は真っ白だった。

「眩しい程だな。」
「白は光を反射するからね。」

「紫希、大丈夫?」
「な、な、なんとか・・・はあ、はあ・・・」

肩で息をする紫希の肩を、仁王がポンと叩いた。
悪いけど、まだ休めない。直ぐ動かねばならない。

「おい、急ぐぜよ。」
「ちょっと、少しくらい、」
「駄目じゃ。そうも言ってられん。」
「確かに、あまり長く小休止してはリードが消えてしまうな。」
「いや、それだけじゃないよ。」
「何?」
「思い出してご覧、弦一郎。さっきの紙。PLACEの欄以外書かれていなかっただろう?」
「幸村の言う通りじゃ。つまり、次の宝のヒントはこの中にあるか、若しくは・・・」
「若しくは、何よ。」

仁王が両開きの白塗りの扉を開けた。

高い天井。
正面のステンドグラスから差し込む日差し。

本来、十字架がある所は今。
FINAL!CRUSH ME!と書かれた、左を赤、右を青に塗られた板で囲われている。

そして床にはボール。
無数のボールが。

「・・・若しくは、ノーヒントでカラクリが分かる、っちゅう事じゃき。」

Aチームが為すべき事を把握した丁度その瞬間、背後から足音が聞こえた。

「来たか!」
「急ごう、取り掛かるんだ。」

最後の関門を要望通り破壊すべく、Aチームは走り出す。