(はーあ・・・)
千百合は内心で溜息を吐きながら黙々とテニスボールを打っていた。
怠い。
この手の、ゴールが見えない系は千百合が一番嫌いなものである。
「辛そうだな。」
少し離れた所で、やはり淡々と自チームのゾーンに壁打ちし続ける柳が言った。
「まあ精神的に・・・ねっ。」
「休んでいても構わないぞ?」
「流石に怒られるどころじゃ、すまないでしょ。」
ここまで周りが皆必死だと、一抜けたとは流石に言えない。
どうでも良い奴らなら兎も角、体力の無い紫希や、体力はまあ・・・あるとしても紀伊梨まで尽力してるのに。
「そっちこそしんどいんじゃ」
「しんどいんじゃない、休んだら、とお前は言うが、俺も休めない事情がある。」
「リーダーの為に尽力するのは義務です、って?」
「・・・ふっ。」
「何よその笑い。」
「いや。そんな理由じゃない、もっと単純な話だ。」
「単純とか、あんたにくっそ似合わない響き持ち出されてもね。」
そう言われても、実際単純な話。
休んだら負けるかもしれない。
勝ちたいと言う、シンプルなプライドは、柳だって持っている。