Solicitation:4th game 12 - 5/7


「よ、紫希。」
「ああ、千百合ちゃん、お疲れ様です・・・」
「ん、お疲れ。」

教会の入り口近くの長椅子。
そこで休憩中の紫希の隣に、千百合は腰を下ろした。

「大丈夫?」
「まあなんとか・・・休んでも良いと言って頂いたおかげで、休み休みなら。」
「そっか。まあ、無理すんな。」
「ええ。すみません、皆まだ全然動けているのに・・・」
「いや、あれらと一緒になるのは土台無理だから、そんな気にしなくて良いんじゃない。」

流石に運動部と言おうか。
千百合だってちょっときつい、と思ったからここに引っ込んで来たのに、皆の方を見ると紫希の言う様に、まだまだ皆ガンガン動いている。
体力無い無いと言われている丸井でさえ、汗かいて来たな程度の素振りしかしていない。
あれについて行ってる紀伊梨に、千百合はちょっと親友の底知れなさを垣間見た気分である。

「・・・ふう。よし、行ってきます。」
「もうちょい休んだら?」
「いえ、私の体力の無さでは、もうちょっともうちょっとと言っていると何時まで経っても復帰出来ないので・・・千百合ちゃんはどうぞ、ご無理なさいませんように。」
「私はまあ、無理しないけど。」

しんどいながらも復帰に歩いていく紫希の背中を見送る。もう2、3分休んだって罰は当たらないと思うんだけど、なんてぼんやり思っていると、入れ違いで此方に来る赤毛。

「よっ!」
「おす。休憩?」
「おう。」

そう言って隣に座る丸井の顔は。

「・・・あんた、サボってない?」
「サボってねえよ。何だよ急に。」
「だってまだ平気そうな顔してるじゃん。」

さっき此処を後にした紫希はおろか、まだ向こうで頑張り続けている紀伊梨の方がよっぽど辛そうな顔をしている。
対してお前、結構涼しい顔のままじゃないかよ。
と思う千百合だが、丸井はあっけらかんと、別に良いじゃんと言った。

「つうか五十嵐は兎も角、春日は休憩の仕方下手なんだよなー。」
「休憩の仕方?」
「体力無い奴っていうのは、持久力もねえの。スタミナある奴と比べたら、同じ時間休憩してても戻ってくる体力の量が違うんだよ。」
「・・・ああ。ははあ。」

要は、回復力の話。
体力の無い人間ほど休憩しても休憩しても全快にはなかなかならず、逆に体力のある者はちょっと休んだだけでも割と動けるようになる。

「だから俺達みたいなスタミナ弱い奴は、エネルギー空っぽになる前に休むのが一番保つんだよ。結果的には。」
「成程ね。つまり、もっと早く小休止しろって言えば良かったのか。」
「ま、しろって言った所で大人しく言う事聞くかはわかんねえけどな。」
「ふむ。紫希、そろそろ小休止・・・」
「?」
「・・・小休止しろい、って言ったらしてくれるかも。今度試そ。」
「へ?」

うん、なかなか良い考えじゃん。
此奴ウィザードなんだし、魔法の呪文を唱えたら存外紫希も言う事を聞いてくれるかも。

「よし、じゃあ行くか。」
「おい、ちょっと待てよい。何だよ今の?」
「さてね。」
「さてねじゃねえよ、幸村君みたいな切り上げ方しやがって・・・あっぶね!」
「避けんなよ。」
「無茶言うな!」

ビンタをあっさり躱されて若干腹立たしいけれど、いい加減行かないと。
もうそろそろ終わりが見えてきそうだし。