Alienation - 4/5


跡部の予想は大当たりであった。

昼休み中どころかインタビューは普通に二回戦まで縺れ込み、そろそろS3終わるぞという時になっても、まだ続いていた。

「ふう、暑い暑い・・・!」
「可憐!タオルって、予備結局どの鞄に入れたっけー?」
「ああっ!ええっと、茉奈花ちゃん・・・は、居ないっ!多分、黄色のスポーツバッグっ!もし無かったら、赤いAdi/dasのを探してみてっ!」
「はーい!」

(うう、茉奈花ちゃん早く帰って来てっ!普段なら兎も角、今リーダーがずっと不在はしんどいよう・・・!)

まさか、公式戦のただ中で、こんな形で網代が連れて行かれるとは思っていなかった。
3回戦までにはどうにか終わって欲しいけど、あくまで希望であって、長引く可能性は普通にあるし。

(ええと、ええとっ!今何を何処までやったっけっ?落ち着いて私っ!タオルやったでしょ、ドリンクやったでしょ、エントリーやったでしょ、後何か・・・・)


「可憐ちゃん、差し入れの後片付けってどこまでやっとく?」


「ああっ!それっ!それそれ、それを忘れてた・・・って、忍足君っ!」


気づくん遅いわ、なんて思いながら、手伝いに来た忍足はふっと笑ってしまった。

「忍足君、どうして此処に居るのっ?試合見なくて良いのっ?」
「もう見終わったで。」
「ええっ!?」
「S3、6-2でこっちの勝ちや。せやから、3回戦始まるまで手伝おと思うて。」
「は、早・・・!」
「まあ、2回戦はあっちがS勝負したかったみたいやからな。あっちゅう間にD取ってもうたから、進行は早かったわ。」

勿論、他のコートだって2回戦やっているのだから、早く終わったからと言って早く3回戦が始まるわけじゃない。
2回戦が全て終わるのを待って、それから3回戦に移行になるので、早く終わればその分休憩を多く取れる。
忍足はその隙に可憐の元に来たのだった。

「良いよ良いよっ!忍足君休憩しててっ!」
「でも、しんどいやろ。」
「いや、マネージャーはしんどいものだからっ、」
「そうやなくて。今、茉奈花ちゃん、インタビューでこっちに構ってられへんやん。」

皆で纏まって動かないといけない時に、何の準備も無くリーダー不在は如何にもきつい。

まして今日は都大会。
試合の数だけなら大会期間を通して最多なのに。

「せやから、甘えとき。」
「うう、ごめんねっ!ありが・・・」

有難う。

と、言おうとして、可憐の心をサッと過るのは、先日ビードロズに相談に乗って貰った時の事。




『あまりいつまでも甘えていては、ご迷惑になりますし・・・』

『本来そうやって側に居たり助けてくれたり、そういうのは好きな人に向かってするべきでしょ』

『友達も大事だけどー。同じ事出来ないからなー。』

『どんなに友達が困ってても、恋人と同じくらい大切には出来ない』




「・・・・!」

そうだ。
そうだ、そうだよ。

これが良くないんだ。

此処で甘えるのを止めるのが、これからの為の第一歩。

「いっ・・・良いよっ!」
「え?」
「て、手伝ってくれるのは嬉しいけれどっ!私の事より、あっちでバスの手配してる子の事を手伝ってあげてっ!ねっ!」
「せやかて、」
「兎に角、大丈夫っ!大丈夫だからっ!あっちの方、よろしくっ!」
「ちょ・・・」

そうは言うけど、バスの手配の手伝いなんてたかが知れてるぞ。
それよりこっちを手伝う方が明らかに効率良いから・・・と言おうとした時には、可憐はもうさーっと走って行ってしまった後であった。

「・・・???」