Pre-tremolos 1 - 2/6


華村の見立て通り、県大会前半戦は雨で呆気なく中止になった。

結局ビードロズは平日にLINEで二回戦、三回戦を突破したと言う連絡だけを受け取り、立海テニス部の勇姿を見られたのは、1週間後。
後半戦になってからの事だった。

「じゃ、行ってくる。」
「行ってきまw」
「行ってら。」

怠そうに玄関で手を振る母、純子。
彼女は千百合がドアに手をかけた瞬間、あ、と声を上げた。

「何?」
「いや、今日は傘・・・」

少し開けた扉から、眩しい日の光が刺さって来て、純子は呟く。

要らないな、今日は。