7月になった。
暑い。
暑い暑い夏が始まった。
「あづい・・・」
「アイス食いてえ・・・」
B組の2人はもう既に溶けそうで、午前だと言うのに今からしんどそう。
「・・・お前舌出して何してんだよ?」
「えー?だってあれっしょー?わんわんって、こうやって涼しくなるんでしょー?」
「それは犬だけじゃねえ?」
「えっ!?人間は涼しくならないの!?」
「そんなんで涼しくなるんだったら、クーラーなんか要らねえだろい。」
冷房点いてるのになあ・・・な目で天井を見上げてもそんなに涼しくはならない。
皆遠慮なく窓を開けるし、授業中で全員ジッとしてるならともかく、休み時間で皆騒いでるなら尚更。
「なあ、今日ゲーセン行かね?」
「おー!行く行く!」
「あれ?お前今日プール掃除じゃなかったっけ?」
「え、マジ?」
「あ・・・ま、良いやサボるべ!」
「うーわ、悪い奴ー!」
「誰かやってくれるって!」
いい加減な事を楽しそうに話すクラスメイトの会話が、紀伊梨と丸井の耳を駆け抜けた。
プール。
そういえばあったな、そんな涼しいイベントが。
「プール入りたいなー!明後日からっしょー?もー待ちきれないですよっ!」
「飛び込みてえよな!学校じゃ出来ねえけど。」
「ブンブンって泳げるー?」
「おう。ま、とびきり得意ってほどじゃねえけど、人並には。お前は?・・・って、聞くまでもねえか。」
「紀伊梨ちゃんは!泳ぐの!めっちゃんこ早いです!」
「お前本当にスポーツは外さねえよなー。」
スタイル抜群、運動神経抜群の紀伊梨は、座学の時とはうってかわって体育の時は羨望の眼差しを一身に浴びている。
特別教えられなくても大抵の事はサッとできるし、コツを教えて貰えれば部活でやってる生徒達と遜色ないレベルにいきなり行ける。
お手本見せて、とか補助を手伝って、とか頼まれているのはザラに見る光景だ。
「あー!お喋りしてたらもっと入りたくなっちゃったよー!早くー!早くー!」
「ま、明後日までの辛抱だな。天気も大丈夫だろい?この調子じゃ。」
本当に。
もうちょっと控えめになってくれても良いからさ、と言いたくなる位の青い青い、空。