For the summer 1 - 2/7


「お早う御座います、真田君。」
「ああ。・・・む?黒崎千百合はどうした?」

千百合は教室に来るなり机に突っ伏していた。
微動だにしない。

「千百合ちゃん、あまり暑いのが得意ではないので・・・」
「ふん、たるんどる。この程度の暑さに今から参っていてどうするのだ。」
「・・・・・」
「・・・おい、黒崎。黒崎?」
「だ、大丈夫ですよ真田君!千百合ちゃん、夏はいつもこうですから。」

いつもの売り言葉が買われなくなると、それはそれで動揺の走る真田。
死んでるんじゃないだろうな、凄い静かなんだけど、なんて思って慌てるが、千百合が静かじゃないのなんて真田と棗の前位である事を本人は知らない。

「ね、春日さん!」

かけられた声に振り向くと、クラスメイトの女子グループが2、3人後ろに集まっていた。

「はい、なんですか?」
「あ、えーとそのー・・・実は、今日ちょっと放課後話したい事があるんだけど。出来れば、黒崎さんとか五十嵐さんとか・・・ビードロズと一緒に。」

(ビードロズと一緒に?)

何の話だろう。
しかしビードロズ、という括り上からすると、何がしか音楽関連の話だろうか。

「良いかな?」
「ええと・・・申し訳ないんですけれど、私は今日は駄目で。プール掃除に当てられているので・・・」
「あー、そうだった!うちのクラス、春日さんだったね。」
「でも、多分他の3人は大丈夫じゃないかと・・・千百合ちゃん。千百合ちゃんすみません、起きてください・・・」
「聞いてる。」

むく・・・と顔を上げる千百合だが、怠いですと表情にはばっちり書いてある。

「えと・・・黒崎さんはどう?駄目?」
「・・・私は良いよ。彼奴らも多分いいでしょ。紫希は掃除行ってきなよ。」
「はい、お願いしますね。ええと、それで大丈夫でしょうか?」
「・・・うん!有難う、じゃあそれで!」

何か今若干間が空いた気がしたが。
まあ良い、気の所為だと思っておこう。