本日の放課後はてんでバラバラ。
紫希はプール掃除の当番。
紀伊梨は応援部の井谷に呼び出し。
千百合と棗はクラスメイトに呼び出し・・・とそれぞれ全く関係のない方向へ動く。
今日この中で一番身体的に過酷な目に遭ったのは紫希だった。
(暑い・・・!)
じりじりと焼け付く太陽。
そう、今は入ったばかりとはいえもう7月。
この炎天下で帽子無しの掃除は堪える。
そして更にウルトラ最悪な事がもう一つ。
放課後から初めて既に20分近く経っているのに。
「・・・誰も、来ません、よね?」
そう、なんと。
紫希1人。
この場に居るのはたった1人だけ。
なんと「自分がサボったところで他に何人も居るから大丈夫でしょ」なんて皆が皆考えたせいで、紫希はぼっちでのプール掃除を余儀なくされたのだ。
あっれー、おっかしーなあ。
本当なら今この場に10人は居ないといけないのになあ。
(でも、かといってどうしようも・・・先生に言ったって、代わりの人がどこからともなく出てくるわけはないですし・・・)
先生に言えば、誰かは手配してくれるかもしれない。
用務員のおじさん、手の空いてる先生、どこかの部活の学校に残っていた生徒とか。
でも、その人達はプール掃除なんてする予定じゃなかった筈。
こんな事いきなり頼まれて、予定が狂うのは気の毒だ。
そりゃ自分だって嫌だけど、自分が嫌々やってる事を人にさせるなんてさ。
(・・・大丈夫ですよね。ゆっくりですけど、出来なくは無い筈ですよ。今は夏ですし、日も長いし・・・)
きっと夜になる前には終わるよ。
きっとね。
そう言い聞かせて紫希は1人又デッキブラシを動かし出す。