その後、一足早く注文していた可憐と忍足は、食べるのも一足早く。2人が店を後にすると、後には千百合と紀伊梨だけが残った。
「ねー、千百合っちー。」
「あん?」
「聞くの忘れてたけどさー、結局今日のよーじって何?どこ行くの?」
「ああ、もう済んだ。」
「ほ?」
ここに今日、2人が来たのは。
実は偶然ではない。
『昼食を一緒に?』
『そう。悪いけど、別卓で偶然ていう体でおって欲しいねん。お礼はするさかい。』
『それは良いけど何でよ。二人のが良いじゃん。』
『多分、俺と二人でおっても、緊張して食事できへんわ。』
忍足は、可憐の性格上、もう洋食屋に連れていかれただけでカチコチになることは想像がついていた。そんな状態で食べたって、味も良くわかるまい。
でも、それは嫌だった。それじゃ楽しめない。
『あー、わかった。紀伊梨に居て欲しいわけだ。』
『そう。紀伊梨ちゃんは普段から明るい子やさかい、多分緊張も解けるし、俺らに対してそこまで遠慮せんでええ、てわかってもらえるんちゃうやろかと思うて。』
『なるほどね。確かにいけると思う。良いよ。』
『おおきに。』
なんて言って引き受けたが。
まあ千百合としては、別に来てご飯食べるだけだから、別に良いんだけど。
「何か意外。」
「え、何が?カレエの味が?」
「違う。」
忍足ってああいう子が好きなんだなって言うのと。
結構尽くす性格なんだなって言うのと。
明らかに自分達が居ない方が、可憐が忍足に目を向ける機会は増えるだろうに。それを捨てて、可憐の緊張を解く方を優先したのだ。
(忍足ってもっと大人なやつと駆け引きを楽しむ方かと思ってたけどな。)
まあ良いけど。
千百合は少なくとも、可憐みたいな女子の方が付き合うにあたって好印象だし。
「さて、ごちそうさま。」
「あ!紀伊梨ちゃんおかわり!」