3「・・・ふう、終わった終わった。」
3(思ってたよりしんどかった)
3(なんていうか、質問が恥ずかしい)
3(子供の名前とか何人欲しいとか、名前は何が良いとか、まともに考えてたら頭が茹るわ)
3(そもそも私、結婚っていう事そのものに対して、さして何も考えてなかったのに)
3(いきなりその後の話考えろって言われてもさ)
3(精市と結婚とか)
3(一緒に生活とか)
3(子供が出来て3人家族、4人家族とか)
3(・・・・・)
3「・・・止ーめよ。」
幸「何をだい?」
3「・・・ちょっと。驚かさないでよ、心臓が止まったらどうしてくれんの。」
幸「ふふ、ごめんね。普通にしてたつもりだったんだけど、気が付かなかった?」
3「うん。」
幸「そうか。何か考え事でもしていたのかい?」
3「まあ。」
幸「さっきの話?」
3「・・・まあ。」
幸「俺も今考えていたんだ。面白い質問だったね。」
3(精市はそうでしょうね)
幸「でもなんというか、答えるのはちょっと苦労したと言うか。ピンとはきにくかったかな。ちゃんと答えられなくて、「あい」さんには申し訳ないよ。」
3「え。」
幸「うん?」
3(・・・いや。いやいやいや。)
3「何処が苦労してたのよ、めっちゃ普通に答えてたじゃない。」
幸「そんな事無いよ。だって、あの質問は主に結婚してからの話だろう?」
3「・・・まあ。」
幸「だから、なんというか未来の話の中でもかなり遠い遠い、ずっと未来の話過ぎてね。答えるのはとっても楽しかったし良い質問を頂いたけど、やっぱり結婚もまだしてない身としては、夢を見ながら話をしてしまって、申し訳なかったなと思って。」
3「いや・・・「あい」さんも別に、将来の正確な推測を話せとか、そういうつもりでお便りくれたわけじゃないと思うけど。」
幸「そうかい?」
3「うん。そう。」
3(精市って偶にこういう所あるのよね)
3(変に真面目と言うか、もしも話通じにくいというか、)
3(マジレス大王と言うか・・・)
3(・・・・・・・)
3「・・・マジレスするんだったらさ。」
幸「うん?」
3「そもそも、精市と私が結婚するかどうかも分からないのに、子供の話してもね、って事にならない。」
3(そうよ、まずそこからよ)
3(そもそも結婚の段階からして既に夢の話っていうか)
3(不確定な未来の話してるっていう意味では、結婚の話も子供の話も、今の私達にとっては同じようなもんというかさ)
幸「ねえ千百合。」
3「ん?」
幸「もしかして千百合は、俺がいつか千百合を手放すんじゃないかとか思っていないかい?」
3「・・・・・・・」
幸「当たりだね?」
3「・・・いや、だってさ。」
3「別に精市の事疑ってるとかじゃないけど、私達まだ中学生だし。」
3「これから先色々あるし、付き合ってたけど別れましたとか、別に珍しい話でもなんでもないんだからさ。」
幸「だから子供どころかそもそも結婚出来ないかもしれないって?」
3「・・・うん。」
幸「それは半分正解かな。」
3「ああそ・・・ん?半分?」
幸「半分。確かに、千百合の言う通りだと思うよ。実際問題、今の時点で俺達は、子供を授かっているわけでも結婚しているわけでもないから。」
幸「だからどんなに「いつか叶う」って信じていても、それはまだ確定しきったわけじゃない。あくまで、そういう予定。そうしたいと思っている、っていうレベルの話にしかならない。」
幸「もしかしたら何かの事情で、子供は望めなくなるかもしれない。それどころか、結婚も出来ないかもしれない。」
幸「イレギュラーな事態って言うのは、どんなに気をつけていても起こり得ることだからね。」
3「・・・・・・」
幸「でもね千百合。少なくともこれだけは覚えておいて欲しいんだ。」
3「何をーーー」
幸「・・・聞こえるかい?」
3「・・・・・・」
幸「ふふっ。思っていたより煩いだろう?俺の心臓は。」
3「・・・うん。」
幸「こんなにドキドキしてるのは、傍に居るのが千百合だからなんだよ。」
3「・・・・・・」
幸「確かに未来の事は、今の俺達には夢見る事しか出来ない。」
幸「でも、少なくとも今ここに居る俺は、今ここに居る千百合の事が好きなんだ。」
幸「誰より愛してる。」
幸「千百合と結婚する未来も、子供を授かる未来も、まだ夢と言えば夢だけど。」
幸「でも千百合が隣に居ない未来に比べたら、もっとずっと手の届く夢だよ。」
3「・・・・・・・」
幸「千百合はどっちだと思う?」
3「・・・どっちって。」
幸「どっちの未来が近いかな。」
3「・・・精市と同じ方。」
幸「ふふふっ。良かった。」
3(・・・近い未来)
3(手の届く夢か)
3(そんな風に考えた事無かった)
3(・・・いつか、会う日が来んのかしら)
3(大樹君や、梢ちゃん)
3(・・・子供に。)
今夢に描いている未来に。
いつか、出会う日が。