Solicitation:2nd game 1 - 1/4



「と、いうわけで第1戦目、これにてしゅーりょーw」
「皆お疲れー!」
「お疲れ様です。」
「終わった終わった。しんどい。」

ほんまそれよ、と思いながら一同はほう、と溜息を吐いた。

「長かったぜ・・・」
「結構かかったよなー。」

時間を取ったのは、的当てパートよりも寧ろゲームパートであろう。
あれが一つ一ついちいちハラハラするので、精神的な疲労がたまるのだ。

「でも、なかなか面白いゲームだったよ。色んな事が分かったしね。」
「ああ、良いデータが取れた。」
「・・・・・・」
「どうかしたか、真田?」
「いや、なんでもない。」

又一歩、自分の友達が悟りに近づいてしまった気もする。

「柳生。」
「仁王君?」
「なかなかやるのう。ラストをお前さんが当てられるとは、予想外じゃった。」
「それは勿論。仁王君に勝とうと思うのなら、予想の範囲内に収まっては居られませんからね。」

この場面ならこうするだろう。
此奴ならこうなるだろう。
その手の予想を裏切れないようでは、仁王に勝つ事など夢のまた夢だ。

「さてさて、じゃあ次のゲームに行こうかねw」
「今度は何やらされるんだ・・・?」
「ご安心おしw今度は其処まで頭は使わないよw」

頭「は」である。頭は。体は使うのだ。

「皆くじ引いた?じゃあ分かれて分かれてw」

2戦目はチームメイトが変わる。
さっきとは違う面子で勝負する事となる。

Aチーム:仁王・幸村・桑原
「おう、幸村が来たか。心強いぜよ。」
「ふふっ。よろしく、リーダー。」
「桑原はさっきと引き続きじゃな。よろしく頼む。」
「ああ、よろしくな。」

Bチーム:柳生・真田・柳・丸井
「此方は・・・真田君と丸井君は、先も一緒でしたね。よろしくお願いします。」
「おう、シクヨロ!」
「うむ。この勢いで、2戦目も取ってしまおう。」
「はい。それから、柳君。よろしくお願いします、頼りにしていますよ。」
「ああ、最善を尽くす。よろしく。」

「今回も柳生側有利かな。」
「やっぱり、幸村君と真田君と柳君の内、2人揃って居る方に目が行きますよね・・・」
「ニオニオのチームの方がテニス部も少ないもんねー!」

そう、三強は奇数なのだ。
だからチーム分けすると、分かれたとしても1:2になるのは避けられない。
そして2人揃って居る方が有利になるのは仕方がない。

「さて、じゃあ2戦目のゲームのルール説明を致しますよw」

いそいそとホワイトボードに模造紙を貼る棗。

「2戦目は、ペイントスナイプだw」

ペイントスナイプ。

ペイント。
ペンキ、塗料。

スナイプ。
狙撃する事。

「これはシンプルルールよw先ず、各チームから1人、代表者を選ぶ。そして、その代表者を狙って、テニスで撃ち合いだw自分のチームの代表者を守りつつ、相手のチームの代表者を狙って、先に相手の代表者にぶつけた方の勝ちw」
「あ、本物のテニスボールは使わないお!怪我すると怖いかんねっ!」
「当たり判定の事もあるので、ボールはそれ専用のペイント弾を使います。」

ペイント弾。
という事は、当たっても痛くはないかもしれないけれど。

「・・・それ、当たるとペンキべったりだろい?」
「だから言ったじゃん、どうなっても良い服で来いって。」
「そういう事でしたか・・・」

代表者は当たると負けだが、逆に言うとそれ以外のメンバーは体を張って代表者を守らねばならないのである。
どんなに狙い撃ちされて、全身塗料まみれのカラフル人間になってもだ。

「安心おしwラケットとかなら付いても後から取れるよw」
「ただ、服や肌や髪についてはどうにもなりませんので・・・」
「しかしのう、服はまだしも、髪や肌・・・ああ。」

だから風呂の準備をしろと言われたのだ。
後から洗えるから、思う存分ペンキに濡れろよということだろう。

「ほう。なかなか面白い趣向だな。」
「ああ、日頃こんな機会は滅多にない。」
「折角だし、色々と参考にしようか。」

ペンキの事よりテニスの事を考える三強は平常運転である。

「さ、次々、さっさとしてよ。」
「次?」

「ドラフトよ。」

そうだった。

ルールを聞いた今、此処からさらに女子を選ぶのだ。

「・・・では仁王君、」
「お、譲ってくれるんか?」
「いえ、じゃんけんで決めましょう。」
「・・・さっき譲ってやったダニ、今度は俺に譲るっちゅう選択肢は、」
「ありません。勝負の世界はそんな甘い物では無い筈です。」

(駄目か)

あわよくば先手を譲ってほしかったのだが、仕方がない。

多分今、欲しいのは2人共同じなのだ。

「「じゃんけん・・・ぽん!」」

仁王が出したのはグー。
柳生が出したのはパーであった。

「私の勝ちですね。では黒崎さん、私のチームへ。」
「私?」

(やっぱりな)

そうくるだろうなと思った。
知ってた。
自分だって勝ったら一も二も無く千百合を引き入れるだろう。

「よっ。いっちょシクヨロ。」
「ん。まあなんで私選ばれたのか分かんないけど、」
「嘘を吐くな黒崎千百合。」
「ああん?」
「黒崎、お前は分かっている筈だぞ。何故自分が柳生に指名されたのかをな。」
「・・・・・・」

まあ。
正直、察しがつかないかと言うと嘘になる。
嘘になるけど、察しがつくと言うのも恥ずかしいから嫌なのだ。

「黒崎さん、此方としても申し訳ないとは思っています。ですが・・・」
「分かってるわよ。勝つ為でしょ。大丈夫よ、今日はあんたと仁王が優先なんだから、リーダー命令は聞くし。」
「有難う御座います。では早速、作戦を練りましょう。」

「ちゅうわけで、春日。よろしく頼むぜよ。」
「はい、よろしくお願いします・・・」
「ねーニオニオー!紀伊梨ちゃんはー!?ねー!紀伊梨ちゃんは此処に居ますおー!!ねえー!」
「ふふふっ。まあまあ五十嵐、ちょっとした冗談だよ。で、仁王。代表者は誰にするんだい?」
「それはもう決めてある。」
「決めてある?」
「ああ。向こうの出方も十中八九予想がつく。とはいっても、勝てるかっちゅうと五分五分じゃが・・・」

でも、策はある。