Training camp – in Hyoutei gakuen -:Thunderstorm 2 - 3/9


夕食後。
可憐は割り当てのベッドの上で、布団に包まっていた。

「やほー。」
「可憐ちゃん♪調子はどう?遊びに・・・ああ。」
「あーあ、こりゃ駄目ねー。」

別室から顔を見に来てくれた、網代に新城に金町。3人の入室を受けて、同室のマネージャーが苦笑しながらお饅頭状態になっている可憐を指さした。

「可憐、顔は出せよー。そうしてると余計暗いぞ?」
「あ、あかり・・・そうなんだけど、つい・・・ひい!」
「あら、今のは大きいわね。」
「予報じゃ、今日一晩ずーっとこの調子らしいしねー。」
「ええええええ!?」
「まあまあ、寝ちゃえば朝だよ!ね?」
「眠れないようっ・・・!」
「逆に、これだけ疲れてるのに眠れないっていうのも凄くない?」
「ううん、まあ人間嫌いなものには過敏になっちゃうわよ、ね?」

可憐とてもわかっているのだ。気にしないのが一番だということは。
怖い怖いと気にしているから余計怖くなって、すっと寝てしまえば起きたら朝なのに、それは頭では理解してるのにどうしても出来ない。

「まあまあ!気を取り直して可憐ちゃん、今からーーーー」

パツン・・・・チラ・・・チラ・・・チカ!

「「「「・・・・・」」」」
「・・・今、」
「ちょっと・・・チラついた、ね・・・?」

同室マネジの女子が、不安げに部屋の電灯を見上げた。
今は煌々と照らされている。けど、確かに今一瞬消えた。

「~~~~~~!」
「ああー・・・これは。」
「マジでどっかで停電あるかもね・・・」
「まあまあ!あるかもしれないけどないかもしれないし、明るくいきましょ!別に私達の方までライトに付き合って暗くなることもないわよ、ね?ほら、可憐ちゃん!」
「それ、何・・・?」
「お菓子とジュースよ!眠れないなら眠れないで上等だわ、パジャマパーティーと洒落込みましょうよ!ね?」
「・・・うん、」

漸く布団を解きだした可憐に、一同はホッと胸をなで下ろした。






一方、当たり前だが電気がチラチラしたのは別に可憐の部屋に限ったわけではなかった。

「え!?」
「おお。」

「・・・・」

チラついたな。
忍足は割り当てられた部屋で、本を読んでいた視線を上げて思った。

(今は?)

時計を見るとまだ19時30分。消灯まではまだ長いが、それまで持つか。

「な、なあ・・・こういうのって、切れたらどうしたら良いの?電球の取り換え?」
「意味ないだろあほか。」
「お、おしたり・・・」
「どう言うて・・・先ずは動かへん事やな。次に、目が慣れたら無理せえへんようにライトの確保。後は復旧するまで待っとき。」
「・・・トイレに行きたくなったら?」
「別に暗いだけやし、トイレに行かれへんいう事はあらへんから、手洗いとか洗面とかは注意しながら普通に使うたらええで。」
「そ、そうか・・・あれ?トイレとか洗面って、使える?」
「電気と水道は別系統やさかい。」
「あ、ああそうか・・・」
「お前早くもパニックだろ。まだ消えてもないのに。」
「こういうの苦手なんだよ、マジで!」

(・・・苦手なあ。)

可憐は大丈夫だろうか。

苦手云々置いておいて、平気な人間でも停電中はやはり何かにつけて通常時より危ないものだ。ましてドジな可憐が苦手とする状況下で怪我せず動けそうかと言われると、まあ控えめに言って無理だろう。

忍足は半分無意識にスマホを手に取って。

「・・・・・」

辞めた。
明るいうちから安否確認して何になろう。そういうのは落ちてからで良い。

(まあ多分一人にはならへんやろうし)

「充電しとこ、充電。ライトのバッテリーを少しでも。」
「ああ、やっとき。停電したら充電も止まるで。」
「そうだった・・・!」

同室部員の悲痛な声を聞きながら、忍足は本に目を戻す前に一瞬窓の外を見直した。

雷は相変わらず遠く近くに落ち続けている。