My treasure 1 - 1/5



金曜日の放課後。

かねてから予定していた通り、今日は紫希・紀伊梨・千百合の3人はバラバラであった。

テニス部もバラバラであった。
だから柳は、真田に招かれて、将棋を打ちに来た。

「王手だ。」
「むむむ・・・!流石に手ごわいな。」
「俺だってそう思っているさ。」

中学1年生同士としては、一見するとちょっと変な図かも知れないが、それでも2人は楽しくやっていた。
そこへ、真田の祖父が通りがかった。

「弦一郎ー--む。すまんな、お友達か。」
「ああ、お祖父さま。」
「はじめまして。お邪魔しています。柳蓮二と申します。」
「いや、こちらこそ。いつも孫が世話になっているようだ、かたじけない!」
「とんでもないことです。俺の方こそ、弦一郎君にはいつも世話になっていて。」
「そう言ってくれるとありがたい。これからもよろしく頼む。」
「はい、こちらこそ。」
「うむ・・・時に、君も将棋を嗜むのかね?」
「はい。」
「柳は強いですよ、お祖父様。」
「そうか。いや、もしも2人揃って興味があるのなら、蔵に行ってみると良い。」
「「蔵?」」
「ああ。死んだわしの父上が、なかなかの打ち手でな。確か、棋譜が中にしまってあるはずじゃ。お前の父親も将棋が好きなら出しておいても良いんだが、あれはあまり将棋を好まんからな。」

その言葉に、真田と柳は顔を見合わせた。