My treasure 2 - 1/6



翌日。
朝から真田家ではテニス部が7人、ビードロズが4人、総勢11人が車座になっていた。

何人かは、「スッと11人も入れられる辺り、真田家も大概でかいな」とか寄り道思考をしたりした。

「今日集まってもらったのは他でもない。昨日、俺と柳が蔵で棋譜を探していたらー--」
「きふって何?」
「将棋の勝負の記録のことです。」
「お前ら2人で将棋とか打つのかw仲いいじゃん、今度混ぜてw」
「ええい、話を聞かんか!全くー--ともかく、蔵を探していたらこれが出てきてな。」

真田が出したのは、本当に巻物であった。
漫画に出てきそうな見た目のそれを、やっぱり漫画に出てきそうな手つきでしゅるん!と解くと、中には古い筆跡で何事かずらずらと書かれていた。

「おー・・・え、なんて書いてあるにょー?」
「これ・・・日本語なのか?」
「古語だ。ざっと見てみたが、年代としては江戸時代初期の物だから、そう古くない。」
「そりゃあまあ日本の歴史全体で見たら新しいのかもしれないけどさ。」
「それでも十分古いだろい。で?中身は?」
「それも安心しろ。訳はもう、俺と柳で済ませておいた。」
「ただ・・・訳と言っても、俺達は書いてあることを現代語に訳したに過ぎない。解釈はまだだ。」
「ほう。謎解きが残っていると。」
「ふふ、楽しそうだね柳生。」
「お前さんは本当にこういうのが好きじゃな。」
「ところでちょいとw質問良いすか?」
「ああ。何だ?」

「お宝ってまだあるわけ?」

世の中、宝の地図を頼りにトレジャーハントしに行って、辿り着いたらもう先人が取った後だったという話は枚挙に暇がない。
もし仮に正しく解釈できたとしても、ゴールが・・・つまり、宝が無ければ、ゴールに辿り着いたのかどうかもわからないわけで。

棗がそう尋ねると、真田と柳は顔を見合わせて微妙な顔をした。

「・・・結論から言うと、おそらくある。」
「へえ。どうしてそう思うんだい?」
「巻物の内容の話になるが・・・実は宝に関しては、『取る事が出来ない』と記されているんだ。」
「・・・・え、それって見つけても持って帰れませんってこと?」
「そうなるな。」
「具体的に何が宝なのかは書いてねえの?」
「それもない。ただ巻物には、『取れない』『とても得難い』『人によっては一生見る事ことすら叶わない』『9月の頭に探せ』と書いてある。」
「え?探す時期が決まっているんですか?」
「ああ。巻物は旧暦故に9月とは書かれていないが、新暦に照らし合わせると9月の頭・・・丁度今頃になる。」
「すごい偶然じゃの。」
「だからこそ急いで声をかけたんだ。文化祭も新人戦もあって、今日以外はもう探しに行けない。延長は無意味だからな。」

今回はたまたま全員揃ったが、揃わなかったら無理やり行くか、来年に回すかしなければいけなかった。セーフセーフ。

「おー!大変じゃん、急いで探しに行かにゃいとー!」
「というか、もしかしたらもう手遅れかも・・・」
「その可能性は、十分考慮しておくべきでしょうね。」
「まーまー、それはちょっと置いときやしょーぜっ!まずは探しに行こう!おー-!」

「「「「「「「おー!」」」」」」」