食事の後、帰宅して準備して山のふもとに再集合した一同は、再度探索範囲を確認した。
「これを見てくれ。」
「おー、おっきーい!何これ?」
「航空写真を家で拡大してきた。おそらくだが、暫定ゴール地は此処だ。」
柳の細い指が、航空写真の一か所を指した。
確かに、一見すると森にしか見えないが、よーくみると不自然な白が見え隠れしている。ような。解像度がアレでちょっとわからないけど。
「次だ。これを見ろ。」
「おー・・・あれ?こっち写真じゃにゃいの?」
「こっちは白地図だね。」
「そうだ。そしてこの2つを見比べるとわかるが・・・ここに到達する道は無い。」
道はない。
というと。
「・・・どうにかして、無理やり行くしかない、ってことか?」
「そうなるな。」
「しかし、ルートの確保をどのように行うのだ?」
「要は、行けさえすれば良いわけだ。つまり・・・」
「つまり?」
「手分けしよう。なるべくばらばらにゴールを目指し、行けそうな道から行けば良い。」
ゴール地を円形と見立てて、そこへ行けさえすればどの方位から踏み入っても良い。
ここから行くのは無理そう、と思ったら遠慮なく引き返す。そして回り込む。
誰か一人でも安全なルートが確保できれば、後の者は全員それに続けば良いだけ。
こう言うとなんだか簡単そうだが。
「念のために言っておくが、道が無いということは人間向けに作られていないという意味だ。どこからも入れない可能性もある。くれぐれも各自無理はしないように。」
「聞いとるか?」
「なんで紀伊梨ちゃんなのさー!」
「あんたが一番無茶しそうだからでしょ。」
紀伊梨は身体能力がなまじ高い分、他の人間が「無理」と踏んだルートでも「行けそう」と判断してしまう場合がある。しかしそんな事して孤立したら、それこそ一大事だ。
「とにかく、皆さん一人になるのは避けましょうねw事故になるからw」
「はい。携帯も、山だとあんまりあてに出来ないですよね・・・」
「マジ?・・・うわ、マジだ!アンテナ安定してねえ。」
「それから、もしも怪我した場合とか、休みたい場合とか、」
「それなんですが、一つ提案があります。」
「柳生?」
「この航空写真で言うと・・・此処ですね。」
ゴール地から、まあまあ遠い位置の部分を柳生は指さした。
黒い四角があるように見えるが。
「おそらくここは、うちの別荘です。」
「ああ、そういえばあるとか言ってたねw」
「ええ。もしもの時は、ここを拠点にしましょう。」
「しかし、開いとるんか?」
「カードキーを持っていますので、開けられますよ。叔父からも許可は取っています。まあ、私が財布を落とさなければ、ですが。」
「ああ、それは助かるよありがとう。ベースがあるのとないのとじゃ、大分話が変わってくるからね。」
「うむ。悪いが世話になろう。」
「いえいえ。」
こうして話はまとまった。
宝探し、開始。