『『『『幸村封じ?』』』』
『ああ。』
それこそが、柳生が千百合を欲しがった理由である。
『もしもジャンケンで俺が勝ったとしても、黒崎をいの1番に選んだじゃろうな。漏れなく代表者の座のおまけつきで。』
『それは、俺に千百合を守らせるためだね?』
『ああ。』
普通にテニスというスポーツのみの話をあげつらっても、幸村は強い。
それなのにそのテニスでもって千百合を守れだとか、もう鬼に金棒どころの騒ぎじゃなくなる。
向こうもそれを承知していて千百合を選んだのだ。
全ては幸村と千百合を2人セットで同チームにしない為である。
『向こうもおそらく黒崎を代表者にしてくる筈じゃ。幸村が手出しし辛いのを想定してな。』
『えー!じゃあじゃあ、ゆっきーはやる事無いのー!?』
『いや、逆じゃ。幸村には露払いの役がある。』
『露払い、ですか・・・?』
『ああ。黒崎が狙えんでも、他のは狙えるじゃろ。幸村には真田と柳の相手をして貰う。』
『ま、待て!』
桑原は思わず仁王を遮った。
『確かに幸村は強いけど、それでもあの2人を同時に捌けとなると、』
『じゃからお前さんにも頼む。』
『え?』
『今言った通り、1人で2人の相手をしろっちゅうのは如何に幸村でも難しい。じゃき、桑原。お前は援護射撃じゃ。』
『援護?』
『ああ。幸村が零した分のフォロー。任せるぜよ。』
とか言われて、任されてしまったわけだが。
「ハアッ!」
きつい。
思っていたより数倍キツイ。
流石真田と柳という所だろうか、幸村を出し抜けるほんの一瞬、此処しか通せない!というポイントを正確に突いてくる。
幸村の援護とか、それ必要なのかよとか思った自分が馬鹿だった。
これは辛い。
体力なんか以上に、絶えず集中力が要求される。
「桑原、そっちだ!」
「ああ!・・・おりゃあ!」
いつ終わるのかも分からない援護の任務は、まだまだ続く。