紀伊梨たちは地理班であった。つまり、巻物に書いてある宝の場所を当時の地図におけるどこなのか突き止めて、最終的に現代のどこなのか割り出す係。
「そいで、なんて書いてあるにょ?」
「うむ。巻物にはー--「ごめん、原文止めて現代語訳してw」む・・・まあ、かいつまんで言うと、『自分の住んでいる城より東の方、川を2つ渡り1日~2日進むと辿り着く場所』とある。」
「え!行くのに1日とか2日かかっちゃったら、お休み終わっちゃうお!」
「たわけが!これは昔の話だ!今の俺達には文明の利器があろう!バスでも電車でも使えば、短縮はいくらでも可能だ!」
「あ、そっかそっか!」
「しかし何か・・・表現が昔だなやっぱり。距離じゃなくて、かかった時間で説明するとか・・・」
「まあ他に言いようもなかったでしょうからねw」
個人の主観ー--この場合、この巻物を書いた張本人の感覚に大いに頼った書き方だが、嘆いたところで始まらない。
一同は展示されている地図パネルの元まで移動した。
「おお・・・すごいな。」
「ねー!おっきいねー!」
地図は、色んな人が見やすいようにと、かなりでかでかと印刷されていた。
大小さまざまな川っぽいものも見受けられる。
「・・・ねえ真田さんやwつかぬことを聞くんだけどw」
「・・・何だ。」
「まずその、筆者の住んでた城isどこw」
「・・・わからん。」
「え!?」
「探したのだが、巻物の中に名前がないのだ!仕えていた者の名すらもない!」
「じゃ、じゃあ東っていっても、どこから見た東なのかわからないってことか!?」
「え、どーすんのどーすんの!?」
「んー、まあ実際問題、東・・・真東かどうかはわからないから、まあ北北東から南南東方向までバリエーションあるけど、西から見て川を2つ通る筋を探すしかないね。」
「えええ・・・・まあ、他にどうしようもないか。」
「???ほくほくと?なんなんと?何かほくほくしてるの?」
「お前という奴は・・・!」
「まあまあ・・・今言ったってどうしようもないだろ?それより他に手がかりを考えて、どうにしかしてゴールを絞っていかないと。」
「まあねえw」
「その点は案ずるな。まだ手掛かりはある。」
最初に見つけたのが真田と柳であったのが功を奏したというか。その場で考えられる凡そのことは最初からもう検討済みなので、こういう時は話が非常にさくさく進む。
「まず、この巻物が書かれたのはおそらく室町時代辺りだろうと考えている。柳の意見もあることだ、おそらく当たっているはずだ。」
「おおー!良いね良いね、それ有力情報ねw」
「それってどれくらい昔?」
「ええっと・・・江戸より前で・・・あれ、安土桃山が間に挟まる?よな?」
「正解ですwつまりね、江戸時代とかに出来た城は該当しないわけよwこれが書かれた当時、まだ建ってないからw」
「はあ・・・そうか、なるほどな。」
「ほえ????」えーと、室町の方が昔だからー・・・あ、そっか新しいお城のこと、この人は知らないんだね!うんうん!」
「そうだ。そして、まだ手掛かりはある。柳が割り出してくれたところによると、巻物は漢字で書かれているー--つまり成人男性だとして、「紀貫之w」ええい、茶々を入れるな!そういった例外は、行き詰った後でだ!話を戻すぞ、成人男子だとすると、その足で1日2日で移動できる距離は・・・聞け!」
「だってー!きのつらゆき?って何かよくわかんないんだもーん!」
「後で紫希に聞いたら良いじゃんw」
「だから今聞こうとしてるのー!LINELINE・・・」
「まあまあ、後にしようぜ?それで?」
「ああ・・・つまり、川を2つ渡った先に進んで、3本目に行き当たらない所が該当箇所だ。くわえて、室町の時点で現存していた城を出発地とすると、かなり絞り込めるだろう。」
「なるほどねwそこまでわかってるなら、いけそうねwええと?」
棗が後ろに下がって、ポケットから出したミニ懐中電灯で展示されている地図を指した。
「距離を想定して、半径がこんなもん・・・桑原、しゅくしゃ・・・スケールなんて書いてあるw」
「ええと・・・・1000だな。」
「1000ね。で、そっからすると・・・大体こんなもんで・・・紀伊梨、地図見ててよw」
「ほーい!」
「桑原、説明冊子の地図に目印を付けろ。俺が城の位置を教えた方が早かろう。」
「頼むw」
あの子達何してるの?さあ・・・みたいな声がちらほら聞こえ始めた。
真田が棗に条件に該当する城の位置を教え。棗がそこをライトで照らし、想定距離を地図上で割り出す。紀伊梨が地図を確認して「川2本」「東方向」に該当するか確認する。桑原が、どこの城が〇で×なのかメモをする。
「大庭城。」
「ほいw」
「高麗山城。」
「ほいw」
「川3つでーす!」
「×だな、×・・・」
「川無いでーす!」
「ここも×・・・」
紀伊梨が混じる割には比較的てきぱきと作業は進むが、桑原は内心でちょっと焦っていた。
さっきから、〇が一つも出ないのだ。
(これ・・・何か間違ってるのか?でも、あいまいな部分なんか山ほどあるし、正確にって言われても限界があるし・・・)
マジで〇が一個も出なかったらどうしよう。
と思った丁度その時。
「最後だな・・・四上城。」
「ほいw」
「えーと・・・あ!行けた!〇です〇ー!」
「〇か!ってことは城がここで、ここから行ける範囲・・・」
4人がライトの先を見る。
「「「「・・・山?」」」」