「急げ!急げ!急げ!急げ!」
「千百合達は、後からゆっくり来てくれ。もしかしたら、別な場所に居るかもしれない。」
「柳!どうだ、確率的な話が言えるか。」
「そうだな、概算だが・・・およそ80%以上。」
「80・・・・!」
「はあ、言われんでも、はあ、そうするしか出来ないって、」
「待って・・・彼奴らなんであんなに早いん、マジで・・・」
「三強も桑原も、足自慢のスタミナ自慢ダニ。」
「むしろ、ついていけている五十嵐さんが、私はおそろしいですが。」
2人とも廃トンネルに居るかも。
その結論に辿り着いた一同は、皆紫希と同じ思考になった。
つまり、まず廃トンネルに居るかどうか確かめてしまうのだ。居るとすると、かなり危険だから、最悪を想定するべき。
とはいっても一人は危険だからと皆で行くことになったのだが、紀伊梨+三強+桑原の5人がまあ早い。千百合、棗、それからテニス部でもまあまあ普通程度にしかスピードの出ない仁王と柳生は、ついていききれない。
「・・・・・・」
「む?桑原、どうした。」
「いや・・・もし本当に2人ともトンネルに居たら、俺どっちにどう謝れば良いのかと思って・・・」
紫希を頼むって言われてたのに。
頼むどころか、みすみす後を追わせてしまって、危ない目になっていたら、親友の面目丸つぶれである。
泣きそうな桑原に、幸村は苦笑する。
「桑原。何て言って良いかわからないけれど、あまり気に病まないで。」
「でも!」
「春日が決めた事は、春日の責任だよ。本当に春日が丸井を追ったんだとしたら、そもそも春日が丸井の指示を無視したのが最初なんだから。桑原が悪いなんて、誰も思ってないよ。」
「でも・・・・・」
「あ!トンネルトンネルー!」
「む、此処か!?」
「宇井トンネル・・・そうだな。まずはここだ。」
一応、他にもトンネルはある。そっちに居る可能性も捨てきれないが、第一候補はここ。
こういう時誰より頼れるのは紀伊梨である。
入口に近づいて。
すうううと息を吸い。
「・・・・紫希ぴょー---ん!ブンブー----ン!居るのー--------!
・・・うおわっ!」
「五十嵐!」
紀伊梨の声量に敵襲かと勘違いした蝙蝠たちが、いっせいに羽ばたいて外へ飛び出していく。
「大丈夫か?」
「ふおー---びっくりしたー!」
「蝙蝠が住んで居るんだね。廃トンネルになって、結構長いのかもしれなー---」
「幸村?」
「・・・・今、あっちが明るかったような。」
「何?」
5人がそろ・・・とトンネル内に数歩入り込んだ時。
向こうからちらちらと明るい光が見えた。
「・・・ジャッカル!幸村君!」
「皆・・・」
「居たー--!2人とも見つけたー--!」
すっとんでいく紀伊梨を見て、4人は安堵の息を深く深く、深ーく吐いた。