Training camp – in Hyoutei gakuen -:Thunderstorm 1 - 5/5


「それ好きなんでしょうよ。っていうか、好きなの。」

食堂に行ってマネジ仲間と食事をしつつさっきの話題を振ると、一緒に食べていた1人が事もなげに言った。

「そうなの!?可憐知ってた!?」
「あ、う、うーん・・・」
「っていうか、なんで知ってんの?」
「だって私、2人と同じクラスだもん。体操部のマネジの雨見さんでしょ?クラスでも結構有名だよ、割と露骨にぐいぐいくるし。」

(そうなんだ・・・)

はきはきしたタイプだなとは思っていたが、クラスでもあの調子らしい。

「まあ元々結構ぐいぐいタイプだったんだろうけど、茉奈花と忍足君が噂になりだしてから猶更ぐいぐいくるようになったかなー。」
「え!対抗意識!?」
「と思うよ?まあ別に好きにすれば良いとは思うけど。誰にも迷惑かからないなら。」
「・・・因みにさあ。」
「ん?」
「網代さんVS雨見さんって、どっちが優勢なのかな?」

「いや、考えるまでもなく茉奈花の方でしょ。」

可憐は咀嚼が止まった。

「そうなの?」
「そもそも論だけど、忍足君って元々好きなタイプ聞かれた時に頭の回転早い子が良いとか言ってたし。茉奈花でしょそれは。」
「マジ!?初耳・・・」
「それにさあ、ほら。水泳大会で、もう軍配上がったみたいな所がね?」
「ああ、あれ・・・」

可憐もその一件はよく覚えている。
あれは本当に気を揉んだし、色々あったから。

「確かにあれはなー・・・ドラマ性がなー・・・」
「そうそう、ドラマ性よねー。あれって要はさ、構図的には忍足君対バスケ部?だっけ?の人で茉奈花の取り合いして、忍足君が勝った的な事でしょ?しかも、ふっかけられて返り討ちにした感じじゃん。」
「確かに!その気がないなら放っておいても良かった場面だもんねー。成程なあ、もう半分以上決まったようなもんか・・・」
「まあ正直私、今忍足君と茉奈花が付き合ってないのなんて消化試合でしかないと思ってるけど。」
「消化・・・どうなのその言い方。ねえ、可憐はどう思う?」
「えっ?あっ、ええと、ええと・・・うんっ。あの・・・お似合いだよね、茉奈花ちゃんと・・・」
「可憐も網代さん派かあー・・・まあ友達だしねー。」
「いやいや、友達とか差し引いてもう茉奈花一択でしょ。一択。」

えー、そこまでかなあー、と話すマネジ仲間の声が遠く聞こえる。

(雨見さん・・・茉奈花ちゃん・・・)

不思議な話だが、雨見と忍足、網代と忍足の仲を考えていると、それぞれに対して受ける感覚が違う。なんというか、正直なところ雨見を軽んじてしまうというか、あまり重要な事に思えないのだ。
片思いが判明しても、アプローチの場面を見かけても、ふーん・・・みたいな感じがする。別世界の話聞いてるような。

(・・・やっぱり、私が雨見さんの事あんまりよく知らないからかなあっ?茉奈花ちゃんとのことは、2人とも友達でよく知ってるしっ。)

だからつい入れ込むというか、感情移入してしまい過ぎるのかも・・・と可憐が考えている間にも、時計の針は進んでいく。

「あ。」
「え?何?」
「いや、多分雲の加減だと思うんだけどさ。ちょっとだけ外が暗くなった気がして。」
「マジ!?陰ってきてる感じ?やったあ!」
「曇りになるかなあっ?」

そういえば、今日は天気予報を見ていない。